
私が「駄菓子屋をつくりたい」と思った理由は、人生の原点にあります。
私は幼い頃から、家庭の中で多くの困難を抱えていました。父への怒り、幼少期の孤独、潔癖症、両親の不仲と離婚、部活動の退部、住宅ローンの返済、兄弟のギャンブルと返済──。
ひとつを乗り越えたと思っても、また次の出来事がやってくる。そんな日々の中で、心は少しずつ枯れていきました。暗い部屋の隅に置かれた植物のように、「わずかな光」を求めてもがいていたのが、あの頃の自分です。
そんな私を救ってくれたのは、意外にも「地域の子どもたち」でした。高校生や大学生だった私は、歳の離れた小学生たちと過ごす時間のなかで、ただ “楽しい” と感じる瞬間が、私に「生きる意味」を運んでくれました。その“楽しさ”こそが、私にとっての居場所でした。
その後、幼稚園の先生として働き、部活動の指導や地域ボランティア、そしてサッカークラブづくりに携わるなかで、いつもそこには「子どもたちの笑顔とやさしさ」がありました。日野市に移り住んだ今でも、その想いは一度も揺らいでいません。
「誰かの逆境に寄り添いたい」
この想いを胸に、2024年10月に子ども食堂を立ち上げ、そして同年11月1日には「無料の駄菓子屋」をオープンしました。3か月で仲間たちと創り上げたこの場所は、まさに私の人生そのものです。
困ったとき、人に必要なのは「誰かに依存できること」。そして、そこから必ず“自分の力で進もうとする勇気”が湧いてくる。私はそれを自分の人生で体験してきました。
だからこそ、私は確信しています。この駄菓子屋、この子ども食堂、この居場所は、かつての私のように“光を探している子ども”の力になる。
この場所を、過去の自分へ贈りたい。ここから、やさしさの循環が始まります。地域の皆さまと共に、これからも“笑顔がめぐるまち”をつくっていきます。
一般社団法人ペイ・フォワード
代表理事 橋口 陽二郎



